気温が上昇するこれからの季節は、汗のべたつきやニオイに悩まされるという方が多いのではないでしょうか?
脇や背中に広がる汗ジミも気になりますよね。
もしも、こうした問題が服選びやコーディネートで解決できたら、夏の通勤やお出かけが今より楽しくなると思いませんか?
今回は汗の不安を解消する機能的な生地について解説し、すぐに取り入れられるアイテムやコーディネートをご紹介します。
Contents
「蒸れ・べたつき」「汗ジミ」「ニオイ」汗のお悩みは3種類
暑いときに汗をかくのは人間にとって自然な生理現象です。この汗が蒸発するときに温度を奪うことで、私たちは体温を調整することができるのですね。しかし、いくら汗に大切な役割があるとわかっていても、汗をかいたあとの不快感や汗ジミは悩ましいものです。以下のような事柄にお困りの方も多いのではないでしょうか?
✓蒸れ、べたつき
✓汗ジミ
✓ニオイ
蒸れ、べたつき
体から出た汗を衣類が吸うと、蒸れたりより暑く感じたりしやすいものです。では、吸湿性の低い素材がいいのかというとそうではなく、今度は汗が肌の上に残ることで、衣類が肌にベタっと張りつくという問題が生じます。ジリジリ照りつける日差しだけでも暑くて大変なのに、不快な問題が増えてしまってはストレスになりますよね。
汗ジミ
腕を上げたときに目立つ脇の汗ジミや、ぐっしょり濡れて色が変わってしまった背中…。こまめに汗を拭けるようなシチュエーションばかりとは限らないので、お手上げ状態になってしまうこともありますよね。汗ジミができていないか心配で、仕事やアクティビティに集中できないという方も少なくないでしょう。
ニオイ
水分がいっぱいの衣類は、ニオイのもととなる雑菌にとって好条件な場所です。対策として、デオドラント製品を使う、汗を拭きとる、着替えをするなどの方法がありますが、忙しいとこまめにケアできないこともありますよね。ニオイを気にすることで、緊張して余計に汗をかいてしまうということもあるかもしれません。
どうすればいい?夏を乗り切るファッションの汗対策
出典:DoCLASSE
汗をかくことが体にとって必要なことだとわかっていても、蒸れや汗ジミ、そしてニオイの問題は何とかしたいもの。そこで試していただきたいのが、お悩みに合うファッションアイテムを取り入れた汗対策です。蒸れやべたつきを防ぐには、汗を良く吸い素早く発散する「吸水速乾素材」や「天然素材」、そして「肌離れの良い素材」のアイテムが適しています。脇や背中の汗が気になる方には、汗が服の外側に染みない「汗ジミ防止素材」のアイテムがおすすめです。また、汗のニオイが気になるときは「抗菌防臭素材」のアイテムを選ぶと良いでしょう。
汗対策に役立つ機能とおすすめのアイテム
前章でも触れましたが、汗を気にしている方に試していただきたいのが、ここ数年で取り扱いの増えた機能性素材を使ったアイテムです。湿気を吸ってサラサラをキープする吸水速乾、ニオイのもとになる菌の増殖を防ぐ抗菌防臭、そして脇や背中の汗が響かない汗ジミ防止。それぞれの機能とおすすめのアイテムをご紹介します。
吸水速乾
吸水速乾とは、水分をすぐに吸い取り発散する機能のことを指します。この吸水性と速乾性によって、汗をかいたあとの蒸れやべたつきを抑え、サラッとした快適な状態を保ってくれます。
出典:DoCLASSE
ポリエステルに綿と麻をバランス良くミックスした生地で、ドライな履き心地とひんやりとした触感を得られる夏のパンツです。ワイドパンツの落ち感がきれいに出るため、ヒールつきのサンダルを合わせた上品な着こなしにも最適です。
出典:DoCLASSE
さらっとした素材でできたパンツは、吸水速乾と冷感触感の機能で汗対策にもってこいです。美脚や小尻見せにこだわったデザインで、細身でも抵抗なく履くことができるはず。ストレッチもきいていてオンオフ問わずに使えます。
汗ジミ防止
生地の表面に水を弾く加工を施すことで、汗によるシミを目立たなくさせる汗ジミ防止機能。一般的な汗ジミ防止の商品には、肌に触れる裏面に吸水速乾加工を施したものが多く、着用時の快適さも兼ね備えています。
出典:Pierrot
風合いの良いコットン100%の素材に、汗ジミ防止加工と吸水速乾加工を施したTシャツ。シンプルながらデザインにこだわっていて、体のラインを拾わずに着こなせます。薄手なのでレイヤードコーデのインナーにも向いています。
出典:Pierrot
表面の撥水加工で汗ジミが目立たないワンピース。生地そのものは綿100%なので、柔らかな着心地で汗を良く吸ってくれます。なお裏面には吸水速乾加工が施されており、乾きにくさが心配な方にも安心です。
抗菌防臭
抗菌防臭加工とは、ニオイのもとになる菌の繁殖を抑える加工のことです。汗のニオイや部屋干し臭の発生を防ぐため、夏場や湿度の高い日でも爽やかさをキープすることができます。
出典:Re:EDIT
二の腕を隠せる袖丈が嬉しいフレンチスリーブのTシャツ。肌触りのいい薄手のコットン素材は、汗を吸ってもニオイが発生しにくい抗菌防臭の加工を施しています。シンプルなので、枚数を揃えてコーデに多用しても良いですね。
出典:Re:EDIT
抗菌効果、スキンケア効果、UVカット効果など、機能満載のシリーズアイテムより、アシメトリーなトップスとスカートで作るセットアップ風のスタイルです。UVカット機能も備わっているため、旅行先での着替えやワンマイルウェアとしてもおすすめです。
天然素材や肌離れの良い素材にも注目!
出典:DoCLASSE
天然素材のひとつであるリネン(麻)は、吸水性と速乾性に優れており、汗をかいても肌に張りつきにくい素材です。コットン(綿)は吸湿性の高さと肌触りの良さが魅力ですが、厚手の密な生地では水分が逃げにくいので、夏場はさらりとした薄手の生地を選ぶと良いでしょう。ポコポコした凹凸のあるサッカー生地、シワ加工の楊柳生地、不規則な糸で織られたスラブ生地は、肌に触れる面積が少なくて通気性が良く、汗をかいても清涼感が続きます。
合わせ技で汗対策!大人におすすめのコーディネート
夏場の汗対策として、快適に過ごせる素材をご紹介しました。アイテム選びやコーディネートでは、あわせてデザインや柄を意識することで、汗によるトラブルを防ぐことができます。ここからは実際にアイテムをどう取り入れたらいいのか、お手本のコーディネートを通して解説します。
リネン×キャミワンピース
出典:DoCLASSE
夏場も人気のレイヤードスタイルは、汗を良く吸うコットンのTシャツと通気性の良いリネンのキャミワンピで、季節感のある快適なコーディネートに。ストラップを長めに調整すれば、胸元と背中の涼しさがグッと増します。着方や合わせる服で雰囲気を変えられるのもキャミワンピならではの魅力ですよね。
背中のトリム×薄手コットン
出典:Re:EDIT
背中が汗でぐっしょりしてしまう方におすすめなのが、トレンドアイテムとしても人気のバックオープンデザインです。背中に施されたカッティングが風を通すため、蒸し暑い日でも涼しくいられます。薄手のコットン素材なら汗を吸収して快適さもキープしてくれますよ。控えめな開きで大人の肌見せを楽しんで。
汗ジミ防止×吸水速乾
外でスポーツをするときは日焼け対策に長袖を選ぶという方も多いですよね。そんなあなたにおすすめなのが、嫌な汗ジミと紫外線、一度に両方の対策が叶うパーカーのコーディネートです。肌に優しい綿100%の生地は、吸水速乾性に富んだ裏側で汗を吸って発散し、表面の撥水加工で濡れた部分を目立たせません。
フレンチスリーブ×楊柳生地
出典:kuih
セットでも単品でも使えるセットアップは、着回し上手な大人の定番アイテムともいえますよね。二の腕を隠して涼しく着られるフレンチスリーブのこちらは、肌に密着しない楊柳生地で夏に快適さを与えてくれます。シワが気にならないので旅行にも便利ですね。
透かし編み×深Vネック
出典:Re:EDIT
上品な透け具合が人気の透かし編みニットは、深めのVネックからインナーを覗かせて、通気性バツグンの重ね着コーデに。おうちコーデやリゾートコーデでは、クロップド丈のインナーで開放的な肌見せスタイルにしても良いですね。アースカラーを選んで大人っぽく着こなしたいコーディネートです。
フレンチスリーブ×リネン
出典:BouJeloud
風通しのいいフレンチスリーブのブラウスは、吸水性と速乾性に優れたリネンのスカートに合わせて、全身を涼しく。暑い日のデスクワークでお尻と太ももの汗に悩む方も、この組み合わせなら蒸れや張りつきが気になりません。ポイントにあしらったパイピングで、定番のリネンスカートに差がつきますね。
フレアスリーブ×リネン
出典:DoCLASSE
アームホールが広いと涼しいものの、脇のチラ見えが気になりますよね。その点フレアスリーブなら風を通しつつ、ひらひらっと隠してくれるから安心です。リネン素材のパンツを合わせることで清涼感と季節感がアップします。
リネン×透かし編み
出典:Re:EDIT
透かし編みのワンピースにリネンのジレを重ねた、涼しさいっぱいのコーディネートです。直線的なシルエットと配色のおかげで、肌を見せても嫌味なく仕上がるところが良いですね。インナーを長袖にすれば秋口まで楽しめそうです。ジレはキャミソールの露出を抑えるためにも使えて、大人の夏ファッションに大活躍です。
シアー×ドライコットン
出典:DoCLASSE
コットン素材のシアーシャツは、透け感と同時にナチュラルな風合いを楽しめるアイテム。化学繊維のシャツに比べると、汗も良く吸ってくれるところが嬉しいですね。チュニック丈ならボトムスにヴェールをかけたような印象に。シューズ次第できれいめにもカジュアルにも着こなせます。
吸水速乾×リネン
出典:BouJeloud
透け感のあるベージュのニットとパープルのワイドパンツの組み合わせは、ニュアンスが感じられて大人に良く似合います。ニットは吸水速乾素材、パンツはリネン混の素材を使っているので、汗の蒸れを感じさせず快適さを保てるでしょう。こちらのニットはデザイン的にも通気性が良くておすすめです。
ドライコットン×Aライン
出典:DoCLASSE
コットン生地の中でも夏場に向いているのが、ハリ感やコシのあるサラッとしたタイプの生地。裾に向かって広がるAラインなら、風が服の中を通り抜けて涼しく着こなせますね。体型をカバーできるデザインなので、膨張が気になる明るいカラーにも挑戦しやすいですね。
Aライン×ボーダー
出典:DoCLASSE
立体感のあるAライントップスは、フレンチスリーブから風が抜けて涼しく快適です。適度なピッチのボーダー柄で汗ジミも目立ちにくいでしょう。合わせやすいモノトーンで、さまざまなカラーのボトムスと組み合わせを楽しめます。天然素材のバッグが夏らしさを際立たせていますね。
サッカー生地×フレンチスリーブ
出典:STYLE DELI
ポコポコとした立体感が特徴のサッカー生地は、肌離れの良さで長く親しまれている夏向けの生地です。フレンチスリーブのAラインシルエットなら、涼しく風を通しながら旬のデザインを楽しめます。コットン100%なのにアイロンがけがいらないのでお手入れも楽ですね。
キャミソール×冷感リブ素材
出典:Re:EDIT
夏場のレイヤードスタイルではキャミソールを使った涼しいコーディネートが増えます。こちらのコーデで使っているのは、冷感触感機能がついたキャミソールとタンクトップのセットです。表面に起伏のあるリブ素材を使っているので、汗をかいても肌に張りつきにくいのが嬉しいですね。ワンショルダーのキャミだけ使えば、より涼しく着こなせます。
サイドスリット×薄手綿混素材
出典:kuih
長めの着丈が使いやすそうなTシャツは、サイドの深いスリットから入る風が気持ちいい一枚。さり気なく肌を見せても上品なデザインで、大人も気負いなくトレンドを楽しめます。素材は綿メインの混紡でサラッとしているのが特徴です。ニュアンスカラーでまとめることで、こなれた雰囲気に仕上がります。
工夫次第で汗の季節も爽やかに。便利なアイテムでしっかり対策!
出典:DoCLASSE
汗対策のおさらいとして、アイテム選びやコーディネートの要点をまとめます。
✓蒸れ、べたつきには、「吸水速乾素材」「天然素材」「肌離れの良い素材」
✓汗ジミには、「汗ジミ防止素材」
✓ニオイには、「抗菌防臭素材」
✓通気性の良いデザイン、汗ジミが目立たない柄も活用
今回の記事では、汗対策ができる素材やアイテムをさまざまな角度からチェックしました。
なかでも、機能性素材のアイテムは毎年各ブランドが新作をリリースしていて、昨年までなかったような便利なアイテムを発見することができます。
ぜひ悩みに合うアイテムを選び、汗の季節を爽やかに乗り切りましょう。
ご家族やお友達など夏場の汗に悩むまわりの方にも、こういったアイテムがあることを教えてあげてくださいね。
ライター紹介
Saori
一般財団法人 日本能力開発推進協会「メンタル心理カウンセラー」
日本インストラクター技術協会「服飾インストラクター」
心理カウンセラーとしてカウンセリングを行う傍ら、更なる学びを求めて大学に通う。全ての女性がハッピーになれるような、ファッションからビューティーまで幅広く情報をご提案致します。