アフターコロナの2020-2021秋冬ファッションでは、大きく分けて二つの大きな流れが感じられます。
ひとつめは個性を感じさせるアイテムでファッションを盛り上げる流れ、そしてふたつめは生活にフィットする実用的なアイテムの充実という流れです。
これらを踏まえたうえで30代にマッチするトレンドは、「マスキュリンスタイル」と「スポーツミックス」です。
この2大スタイルをベースに、気になる「トレンドカラー」「デザイン」「柄」「素材」をご紹介します。コロナ禍でも元気にさせてくれるアイテムや、テレワークのおすすめアイテムもご覧ください。
Contents
2020年秋冬、注目のトレンドカラーは?
ブラック
2020年秋冬のコレクションにて、さまざまなブランドがベースカラーとして使っているのがブラックです。
ブラックはベーシックカラーのひとつで、これまでも継続して使われてきましたが、今シーズンは黒の占める割合を高めにした着こなしが目立ちます。
ワンピースやオールインワンで主役として使ったり、黒尽くしのオールブラックにしたりと、重さを気にせず全身に使うスタイルもよく見られます。
よく使うパンツや靴をブラックにするだけでも、今季らしさを感じさせる着こなしに仕上がります。
深みのあるブラックはシルエットを強調するため、パワーショルダーやマーメイドシルエットなど、トレンドのデザインを際立たせたいときに適しています。
素材の違いをポイントにする場合は、艶のあるサテンやレザーに対して、肌が透けるシフォンやオーガンジー、暖かそうなニットや厚手のダブルクロスを対比させるとオシャレに仕上がります。
パープル
春夏からトレンドが続いている差し色のなかでも、季節感のあるパープルは高い人気をキープしています。
色の彩度はくすみを含み主張が穏やかで、面積の大きなアイテムでも取り入れやすくなっています。
そのため、アウターやトップスで顔まわりに使うのも簡単で、ほかのカラーともよく馴染んでくれます。
色の種類については、ピンク味のある柔らかなモーヴパープル、ライトなラベンダー、葡萄のようにこっくりとしたパープルなどがあります。
バリエーションの幅が広い今季は、素材による表情の違いを楽しむにもぴったり。アイテムを変えて色々試してみたくなりそうです。
パープルは甘さとかっこよさのバランスがよくて、大人のファッションに良くなじみます。この時期はパープル系のコスメもたくさん登場するので、メイクと合わせてコーディネートするのも楽しみ方のひとつです。
レッド
今シーズンのコレクションを盛り上げていたのが、ルージュのように深みのあるレッドです。
とりわけ目を引くのは、ややくすみのあるサンバと呼ばれる赤で、秋冬のファッションを印象づけるカラーとして注目されています。
サンバより紫寄りで薄墨を混ぜたような赤も多く見られ、こちらはレッドブラウンに近い感覚で使われています。
鮮やかさが際立つのはオレンジが入ったマンダリンレッドという色で、明るさや新鮮さを演出するのに役立ちます。
こっくりとしたレッド系カラーは、秋冬の素材としてよく使われるツイードやレザーともよく合い、シーズンムードを盛り上げてくれます。
レッドには血色感をプラスするという効果があるため、寒さで肌のくすみが気になるこれからの時期に使えば、ヘルシーで女性らしいイメージに仕上がりますよ。
ベージュ
ブラックと並んでベースカラーとして多用されているのがベージュです。
白に近いオートミールのようなベージュから、優しげな雰囲気のピンクベージュまで、いろいろなベージュが揃っています。
今季はトレンド柄のチェックやドットにも多く使われているのが印象的で、ほかのカラーをなじませる役割を果たしています。
日差しが和らぐこれからの時期は、まっさらな白だとコーデから浮いてしまうことがありますが、ベージュに変えるだけでうまくまとまるようになります。
ここでベージュの色味を選ぶときのポイントをご紹介します。
肌の色に近いベージュは使いやすいカラーとして重宝されていますが、自分の肌が黄み寄りか青み寄りかによって、似合うベージュも変わってきます。
黄みが強い方はイエロー系のベージュを、青みが強い方はピンクベージュがよくなじみます。
ほかのトレンドカラーともマッチするので、何色にするか迷ったときにはベージュがおすすめですよ。
イエロー
イエローはどちらかというと春夏に流行ることが多い色ですが、今季は数々のブランドが積極的に取り入れています。
太陽や植物、ひよこなどを連想させるイエローは、生命力を与えてくれるフレッシュなカラーです。
コロナ禍で気持ちが沈みがちな今の時代だからこそ、イエローを取り入れてポジティブにおしゃれを楽しみたいですね。
このカラーがよく使われているアイテムは、ブラウスやスカート、そしてワンピースなどです。
透け感のあるシフォンや薄手のサテンで取り入れると、重くなりがちな秋冬のファッションに明るさと軽やかさが生まれます。
イエローはトレンドカラーの主軸であるブラックと相性がよく、コントラストで鮮やかさが引き立ちます。
アクセントとしてメタリックなアイテムを使うときは、イエローゴールドを選ぶと今風に仕上がりますよ。
アイテムによっては次の春夏も継続して使えるので、ぜひ今からお気に入りのアイテムを見つけてみてくださいね。
テーマでみるトレンドデザイン
マスキュリン
ジャケットやボウタイのブラウスなど、マスキュリンスタイルを印象づけるアイテムが満載です。
マスキュリンスタイルとは、メンズの定番服を使った着こなしを意味します。
トップス、ジレ、アウターといった具合に、アイテムを重ねるのが楽しいスタイルですが、同時に暖かさも叶えてくれて秋冬には最適です。
ジレとワンピースを兼ねた2wayのアイテムなら、早い時期からコーデに加えることができます。
今季のマスキュリンスタイルは定番のアイテムのみならず、アシンメトリーなデザインや素材使いの工夫により、クリエイティブなスタイルに仕上げているところが特徴です。
まるで今の時代に生きる女性のあり方を表現するかのように、自由でしなやかな装いが魅力を放ちます。
このスタイルによく使われるアイテムは、ジャケットやボウタイブラウスのほか、ワイドパンツやセミフレアパンツなどのボトムスです。
アウターはチェスターコートやベルト付きのコートが人気で、マントやケープを用いた新鮮なデザインも目立ちます。
足元はダブルモンクストラップのマニッシュ靴やスクエアトゥのショートブーツがおすすめです。
マスキュリンのプチプラ服をチェック
スポーツミックス
スポーティなアイテムを取り入れたスポーツミックス。
スポーツの要素が強いとアスレジャーと呼ばれ、また実用的なアイテムを使うという視点から、ユーティリティスタイルと呼ばれることもあります。
オリンピックが予定されていたためか、今季のコレクションはこのスポーツミックスをベースにしたコレクションが多いようです。スポーツ系のアウター、足さばきのいいパンツ、スニーカーは頻出となっており、赤、緑、黄色など、乗馬に使われる用具からヒントを得たカラーミックスも目を引きます。
今季スポーツミックスのお手本は、ボリューム感のあるアウターと細身のパンツを合わせたスキー風ファッションや、きれいめのアイテムで作るタウンユースのスタイルです。
動きやすさを重視したヨガやランニング風の着こなしも人気があり、アクティブな30代やママの定番服として活躍します。
リラックス感のあるスポーツミックスはウィズコロナ時代の生活にもマッチします。
デザインでみるトレンドデザイン
ボウタイ
マスキュリンの代表的なアイテムであるボウタイブラウスは、これまでにない充実ぶりでファッションを盛り上げています。
今季は素材やカラーの種類が豊富なだけではなく、襟元のカッティングやタイの形もさまざまで、スタイルや見せたいイメージに合わせて自由に選べます。
ボウタイは顔まわりを印象的に見せてくれるので、テレワークをするときの映えも見込めます。
タイの形については、ハイネックから続く左右のタイを結ぶタイプが基本です。
タイの幅や長さ、また結ぶ位置によって印象が変わるので、フロントで結んだりサイドで結んだりと、スカーフのような感覚でアレンジもできます。
タイを結ぶのが苦手な方は、ボウタイ風の飾りがついたタイプがおすすめですよ。
ボウタイがついていることによって、首周りが暖かいのも嬉しいポイントですね。
ほのかに透けるシアーな素材やツヤのあるサテンなど、注目の素材を使ったボウタイブラウスが流行の予感です。
長く使えるアイテムなので、商品が充実しているうちにお気に入りを見つけましょう。
パワーショルダー
80年代風のファッションが流行のベースとして続いていることもあり、当時を彷彿とさせるディテールがトレンドに上がっています。
肩にボリュームを置いたパワーショルダーもその一つで、マスキュリンスタイルを特徴づける要素でもあります。
パワーショルダーにはいくつかのパターンがあり、デザインによってかなり印象が変わります。
30代の女性におすすめしたいのは、肩にギャザーを寄せてふんわりさせたパワーショルダーです。
このタイプは丸みを帯びたシルエットになるため、やわらかでフェミニンな雰囲気に仕上がります。
また、もともとドレスによく使われるディテールということもあって、華やかさや上品さを引き立てる効果も期待できます。
パワーショルダーを楽しめるアイテムは、ブラウス、ニットトップス、ワンピースなどです。
アイテムを選ぶときに注意すべきポイントは、肩幅よりやや内側の位置からふくらんでいるものを選ぶことです。
そういったアイテムを選べば、肩幅が広く見えることを防げるからです。
パワーショルダーの服を加えるだけで、一気にモード感のあるスタイルになりますよ。
マーメイドシルエット
大人のファッションを成功に導くポイントは、シルエットでトレンドを取り入れることです。
今シーズンは体のラインをきれいに見せるマーメイドラインに注目が集まり、スカートを中心にワンピースにも取り入れられています。
マーメイドシルエットはタイトとフレアをドッキングさせたような形で、その名の通り、人魚のようなシルエットを指します。
とても女性らしいラインを描くデザインで、動きに合わせて揺れるフレアがエレガントです。
今季のマーメイドシルエットは、タイトからフレアにかけての線がなだらかで、体の線を強調しすぎないところが特徴となっています。
全体的にゆったりとしたものが多いので、気負いなく挑戦することができそうですね。
広がりが控えめなセミマーメイドや、プリーツを斜めにあしらったモードなデザインにも注目です。
膝下丈からマキシ丈まで揃っていて、好みの丈を選びやすくなっています。
柄でみるトレンドデザイン
チェック柄
定番柄として定着しているチェック柄は、シーズン毎の特徴や取り入れ方を知るのが楽しい柄ですよね。
今季のチェックは、伝統的なブリティッシュチェックがベースになっていて、デザインや素材をより引き立てるような存在となっています。
マスキュリンスタイルによく使われているのは、細い線を組み合わせたグレンチェックやレトロなガンクラブチェックです。
太さの違う線で作られたタータンチェックは、使われている色によって個性を出せるところが魅力です。
柄の大きさやチェックの向きによっても表情が違ってくるので、チェック柄ひとつでも幅広いおしゃれに挑戦できますよ。
暑さの残る初秋には小物でチェック柄を取り入れるのがおすすめ。
流行の赤を使ったチェックのバッグを投入すれば、マスキュリンスタイルを印象づけてシーズンを先取りできます。
気温が下がって冬に向かうに連れ、トップスやボトムス、アウターへとチェック柄を移行させていけば、長い間トレンドを楽しめますよ。
ドット
今年に入って多くのブランドがドット柄の洋服をリリースしています。今季のファッションに多く見られるのは小さめのドット柄です。
モノトーン同士の組み合わせやトレンドカラーを使ったドット柄もよく使われています。コーディネートのアクセントにしたいときは、白×黒などコントラストが強めのドットがおすすめです。
反対にマイルドにしたい場合は、色の境目がなじむレッド×ベージュやラベンダー×白などを選ぶとよいでしょう。
もうひとつ注目されているのは、大きさの違うドットを不規則に並べたランダムドットです。
ランダムドットは幾何学模様と同じように使えて、モードにもカジュアルにも見せることができる柄。
これら2つのドット柄は、大きめのドット柄に比べて、スタイルを問わず合わせやすいところが魅力です。
ブラウスやスカートなど、普段よく使うアイテムに取り入れて、シーズン中にたくさん着回したいですね。
寒くなるこれからの季節は、ひと巻きで暖かくなるスカーフで取り入れるのもおすすめです。
バッグに添えればマスキュリンスタイルのポイントとしても活躍します。
素材でみるトレンドデザイン
ツヤ
2020年秋冬はツヤのある素材を使ったアイテムが続々と登場しています。
この時期に多く見られるレザーのアイテムも、マットなスエードではなくツヤのある表革が主流です。
マスキュリンスタイルと相性がいいツヤ素材は、なめらかで高級感のある光沢が美しいサテンです。
なかでも、一枚目のサテンアイテムとして手に入れたいのは、光の反射と映えを狙ったおしゃれなトップス。
お肌のツヤ不足に悩みがちな季節も、サテン生地のブラウスで顔のくすみを飛ばせば、表情までもがイキイキと輝きます。
スポーツミックスのスタイルに合うツヤ素材は、表面をゴムで加工したラテックス素材やエナメルです。
人工的なツヤアイテムを使うときは、パンツ、スカート、スニーカーなど、ボトムスより下に取り入れると合わせやすいですよ。
特別な日のおめかしに選びたいのは、サテンの光沢感をドレープで最大限に生かしたキャミワンピースです。
着こなしに抜け感を与えるメタリックの小物も今季らしさを演出するのに有効です。
シアー
ほんのり肌が透ける薄手の素材をまとめてシアー素材と呼びます。
先シーズンから続くシアー素材の勢いは、まだまだ留まるところを知らず、むしろレイヤードが増える秋冬はより充実しているように見えます。
多くのブランドがキーアイテムにシアーな素材を使っていることからも、秋冬ファッションのポイントであることは間違いないでしょう。
代表的なシアー素材は、ふわっと柔らかなシフォンや立体感が魅力のチュールで、定番のレースや薄手のニット、そしてオーガンジーなどもシアー素材に含まれます。
アイテムのバリエーションは多種多様で、定番人気のプリーツスカートやブラウスのほか、ロックミシンをかけたようなメロー加工の薄手ニット、サテンとの重ね着でツヤ感も楽しめるアイテムなどが登場しています。
シアー素材はフェミニンな印象を与えるため、デートやオケージョンでの魅力アップに重宝します。
上半身が映るテレワークにはブラウスで取り入れるのがおすすめで、その場合はインナーや重ね着で透け加減をコントロールしましょう。
プリーツ
もはや定番とも言える人気のプリーツ素材ですが、今季は個性のあるアイテムが続々と登場し、ファッションを盛り上げる役割を担っています。
基本のプリーツアイテムをすでに持っている方は、素材やデザインで印象をガラリと変えてみるのがおすすめ。
縦のラインによる細見え効果、伸び縮みして動きやすいこと、薄手の素材でも意外と暖かいことなど、プリーツにはメリットがいっぱいです。
また、落ち着きや上品さの要素があることから、大人世代にとって使いやすい素材でもあります。
マスキュリンスタイルとの相性もよく、一点取り入れるとシャープさやエレガンスが生まれるのも魅力です。
スポーティな服をレディライクに変換する効果もあり、スウェットのプルオーバー×プリーツスカート×スニーカーなどは、王道のカジュアルスタイルとしてよく見かけますね。
まとめ
今シーズンのファッションには、コロナ禍に生きるポジティブなエネルギーが感じられ、カラーやデザインとして表現されていました。
環境を大切にしながらファッションを楽しむサスティナブルの流れが定着して、それをベースに新しいトレンドを切り開く姿勢も感じられます。
わたしたちにとってのファッションは、ただ着るだけの道具にとどまらず、色や風合い、素材の肌触り、全体のバランスなどを通して、元気や前向きさを与えてくれる言わばサプリメントのようなものです。
今季のトレンドであなたの心をときめかせるものがあれば、ぜひ手に入れて身につけてみてください。
それはきっと心を満たして、いまを楽しむための原動力となってくれるはずです。